
「AIが使えるかどうか」は、もう入口の話になりつつあります。直近発表された二つの調査を並べると、AIが情報収集や資料づくりといった"作業"を引き受けるほど、企業が人に期待する力と、育成で鍛えようとする力が変わり始めていることが見えてきます。どの仕事をAIが引き受け、どの仕事を人が担うのか。
Pickup:今日の注目
① AIが代替する業務は「情報収集」「資料作成」、残る中核は「企画・調整」(PR TIMES/リンプレス調べ)
リンプレスが従業員1,000名以上の企業でDX推進に携わる担当者・部門長111名に行った調査によると、生成AIで代替できる業務として「情報収集・リサーチ」を挙げた人が71.2%、「資料・ドキュメントの作成」が66.7%と上位を占めたと報じられています。一方で、DXの中核人材に必要なスキルの上位は「IT企画力」49.5%、「リーダーシップ・影響力」48.6%で、目的設計・企画立案や関係者間の調整・意思決定といった領域は代替されにくいと位置づけられています。
転職を考えているなら:AIが情報収集や資料づくりといった「手を動かす作業」を引き受けるほど、職場で評価されるのは「その情報で何を判断し、誰をどう動かすか」になりそうです。面接では「AIを使えます」の一歩先として、「AIを使って何を生み出し、どう段取りしたか」まで語れると、差がつきやすくなります。
採用する企業なら:育成投資の重心を「ツールの操作研修」から「目的を立てる・企画する・巻き込む力」へ移す余地があります。企画・調整力を鍛えるカリキュラムへの切り替えは、研修体系が固まっていない中小・ベンチャーほど身軽。求人票でも「どんな判断や企画を任せたいか」を具体的に描けると、入社後にAIには任せられない判断や企画を任せることが、応募者に伝わりやすくなります。
AIが情報収集や資料作成を引き受けるほど、人が評価されるのは作業の速さより、目的を決めて企画を立て、関係者と調整して決める力になります。
出典:PR TIMES(2026年7月3日・本文は転載せず要約しています)
② 若手の9割超がAIを日常使用、でも「成果に変える学び」の場は7.4%(PR TIMES/Harukaze調べ)
Harukazeが若手クリエイターを対象に実施した調査では、生成AIを日常業務で使う人が91.4%(うち毎日使う人が55.6%)に達する一方、AIを収入や仕事に結びつける「稼ぎ方」を学べる場が「充分にある」と答えた人は7.4%にとどまったと報じられています。稼げなかった理由としては「案件の取り方が分からなかった」が58.0%と最も多く挙がったとされています。
転職を考えているなら:AIツールを使えること自体は、もはや当たり前になりつつあります。問われるのは、AIで作ったものを案件の獲得や収入にどう結びつけるかです。学んだツールの数より「AIを使って何を作り、誰の仕事に役立てたか」を語れるようにしておくと、AI時代の実力として伝わりやすくなります。
採用する企業なら:「AIは使えるが成果に変えられない」層が増えると、採用時に見るのは、ツールの習熟度より、AIで作ったものを実際の案件や収入につなげた経験になります。若手には、AIで作ったものを実案件やフィードバックにつなげる場を用意することが、定着と戦力化の近道になりそうです。特にクリエイティブやマーケティングなど成果物が見えやすい職種では、その差が早く表れる可能性があります。
AIを日常で使う若手が91.4%いても、稼ぎ方を学べる場が充分にあると答えたのは7.4%。AIで作れる人は増えても、作ったものを仕事や収入につなげられる人はまだ少ない。この差が、これからの評価を分けます。
出典:PR TIMES(2026年7月13日・本文は転載せず要約しています)
二つの調査に共通するのは、AIが情報収集や制作といった"作業"を担うほど、企業が人に期待する力と、育成で鍛えようとする力が「作業をこなす力」から「目的を立て、価値に変え、人を動かす力」へと移りつつある、ということです。AIを使えること自体では、差がつきにくくなった。差がつくのは、AIで集めた情報や作ったものを、判断や企画、仕事の獲得に結びつけられるかどうかです。何を磨くかを考えるこの視点は、キャリアの軸の見つけ方とあわせて考えると、より実践に落とし込めます。
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