『AIは使える』の先で、問われはじめた力
2026.07.145分で読める
#キャリア#AI×HR#制度設計

「AIが使えるかどうか」は、もう入口の話になりつつあります。直近発表された二つの調査を並べると、AIが情報収集や資料づくりといった"作業"を引き受けるほど、人に求められる力と、企業が投じる育成の重心が動き始めていることが見えてきます。何がAIに移り、人には何が残るのか——最新データを、転職を考える人と採用する企業の視点で読み解きます。

Pickup:今日の注目

① AIが代替する業務は「情報収集」「資料作成」、残る中核は「企画・調整」(PR TIMES/リンプレス調べ)

リンプレスが従業員1,000名以上の企業でDX推進に携わる担当者・部門長111名に行った調査によると、生成AIで代替できる業務として「情報収集・リサーチ」を挙げた人が71.2%、「資料・ドキュメントの作成」が66.7%と上位を占めたと報じられています。一方で、DXの中核人材に必要なスキルの上位は「IT企画力」49.5%、「リーダーシップ・影響力」48.6%で、目的設計・企画立案や関係者間の調整・意思決定といった領域は代替されにくいと位置づけられています。

WeaveXの視点

転職を考えているなら:AIが情報収集や資料づくりといった「手を動かす作業」を引き受けるほど、評価の重心は「その情報で何を判断し、誰をどう動かすか」に移っていきそうです。面接では「AIを使えます」の一歩先として、「AIを使って何を生み出し、どう段取りしたか」まで語れると、差がつきやすくなります。

採用する企業なら:育成投資の重心を「ツールの操作研修」から「目的を立てる・企画する・巻き込む力」へ移す余地があります。中小・ベンチャーは研修体系が固まっていない分、身軽に企画・調整力を鍛えるカリキュラムへ切り替えられます。求人票でも「どんな判断や企画を任せたいか」を具体的に描けると、AIでは埋まらない役割が伝わりやすくなります。

知っておきたいのは、AIが作業を代替するほど、人に残る価値は「作業の速さ」ではなく「目的を決め、価値に変える力」に寄っていく、という点です。

出典:PR TIMES(2026年7月3日・本文は転載せず要約しています)

② 若手の9割超がAIを日常使用、でも「成果に変える学び」の場は7.4%(PR TIMES/Harukaze調べ)

Harukazeが若手クリエイターを対象に実施した調査では、生成AIを日常業務で使う人が91.4%(うち毎日使う人が55.6%)に達する一方、AIを収入や仕事に結びつける「稼ぎ方」を学べる場が「充分にある」と答えた人は7.4%にとどまったと報じられています。稼げなかった理由としては「案件の取り方が分からなかった」が58.0%と最も多く挙がったとされています。

WeaveXの視点

転職を考えているなら:AIツールを使えること自体は、もはや当たり前になりつつあります。むしろ問われるのは、それを成果や価値にどう結びつけるかです。学んだツールの数より「使って何を届けたか」を語れるようにしておくと、AI時代の実力として伝わりやすくなります。

採用する企業なら:「AIは使えるが成果に変えられない」層が増えると、採用時に見るべきはツールの習熟度より"価値化の経験"に移ります。若手には、AIで作ったものを実案件やフィードバックにつなげる場を用意することが、定着と戦力化の近道になりそうです。特にクリエイティブやマーケティングなど成果物が見えやすい職種では、その差が早く表れる可能性があります。

なるほどと思えるのは、AIで「作れる」人は増えても、「価値に変えられる」人はまだ少なく、その差がこれからの評価軸になりうる、という点です。

出典:PR TIMES(2026年7月13日・本文は転載せず要約しています)


二つの調査に共通するのは、AIが情報収集や制作といった"作業"を担うほど、人に求められる力と育成の重心が「作業をこなす力」から「目的を立て、価値に変え、人を動かす力」へと移りつつある、ということです。裏を返せば、AIを使えること自体では差がつきにくくなり、それを何に結びつけるかが問われる時代になりました。何を磨くかを考えるこの視点は、キャリアの軸の見つけ方とあわせて考えると、より実践に落とし込めます。

本記事の見解はWeaveXによるものであり、引用元各社の見解を代表するものではありません。

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