
AIが仕事の進め方を変えるなか、「人の役割をどう組み替えるか」という動きが、国と企業の両方で出てきました。一方は学びを足す動き、もう一方は業務を引く動き。今朝はこの「足し算と引き算」を、転職を考える人と採用する企業の視点で読み解きます。
Pickup:今日の注目
① 政府、リスキリング支援の省庁横断会議を新設へ(ビジネス+IT)
政府が、AI・半導体など「戦略17分野」の人材を育て・確保するため、リスキリング(学び直し)を支援する省庁横断の会議体を内閣官房に新設する方向で調整に入ったと報じられています。会議体は「リスキリング・人材確保推進会議」(仮称)とされ、厚生労働省・経済産業省・文部科学省を中心に各省庁が参加し、質の高い学び直しプログラムを国が認定する制度の創設も検討、今夏まとめる成長戦略に盛り込む方針とされています。
転職を考えているなら:「学び直し」が個人の自助努力から、国が後押しする選択肢へと広がりつつあります。成長が見込まれる分野では、学べる環境や認定の仕組みが今後増えていく可能性があります。いきなり大きく踏み出さなくても、関心のある分野の入門的な学びから始めてみると、選択肢を広げやすくなります。
採用する企業なら:公的なリスキリング制度や認定プログラムは、限られた予算で人材育成を進めたい中小・ベンチャーにとって、使える追い風になり得ます。制度の動きを早めに把握しておくと、自社の育成計画や採用要件の見直しに活かせます。
知っておきたいのは、国が「学び直し」を成長戦略の柱に据えはじめたこと自体が、働き方の前提が変わりつつあるサインだということです。何を学び足すかは、これからのキャリアを考えるうえで身近な問いになりそうです。
出典:ビジネス+IT(2026-05-11・本文は転載せず要約しています)
② AI活用の前に「捨てる」、kubellが月3,000時間の業務削減(HR NOTE)
情報共有ツールなどを手がけるkubell(旧Chatwork)が、不要な業務を洗い出して廃止する全社プロジェクトに取り組み、月間3,000時間超の業務削減を実現したと報じられています。これは全従業員の就労時間の約5%、年間では1億円超に相当するとされ、過剰な報告資料づくりや重複する承認フロー、使用頻度の低いシステムなどを、現場が洗い出して経営が素早く廃止したと紹介されています。
転職を考えているなら:仕事を見直すときは、「何を新しく身につけるか」だけでなく「何をやめるか」も同じくらい大切です。惰性で続けている業務を棚卸しすると、本当に力を入れたい仕事が見えてきます。この視点は、転職先を選ぶときの判断軸にもつながります。
採用する企業なら:人手が限られる中小・ベンチャーほど、人を増やす前に「捨てられる業務」を見直す余地があります。現場が無駄を挙げ、経営が素早く判断する仕組みは、少人数でも生産性を高めるヒントになります。
なるほどと思えるのは、AIを活かす前提として、まず仕事の中身を整理する企業が出てきたという点です。新しい道具を足す前に、いまの仕事を引き算してみる——その順番が成果を分けるのかもしれません。
出典:HR NOTE(2026-05-22・本文は転載せず要約しています)
2本に共通するのは、AI時代に向けて「人の時間と力を、より価値のある仕事に振り向け直す」という発想です。新しく学ぶ(足し算)と、いまの仕事を見直す(引き算)。どちらか一方ではなく、両方を行き来することが、個人にとっても組織にとっても次の一手につながりそうです。
本記事の見解はWeaveXによるものであり、引用元各社の見解を代表するものではありません。



