
プレゼン資料や提案書をつくる作業を、AIが丸ごと引き受ける段階に入りつつあります。しかも会社ごとのテンプレートを読み込み、体裁まで整えて仕上げる水準です。「資料をつくる」という日々の作業がAIに移るとき、人に残る仕事は何なのか。新しく登場した技術を起点に、転職を考える人と採用する企業の視点で先読みします。
Pickup:注目の技術
① スライド生成AIが「自社のテンプレート」を理解しはじめた(PR TIMES)
法人向けAIサービスが、社内で配布されているスライドマスター(PowerPointのひな型)をそのままテーマとして登録し、そのブランドに沿った統一感のある資料を自動生成できる機能を発表したと報じられています。これまで汎用的なデザインで出力されがちだったAI資料が、「自社の見た目」で仕上がる段階に近づいたことになります。
転職を考えているなら:資料を「きれいに整える」作業の価値は、これから下がっていく可能性があります。逆に上がりそうなのは、何を伝えるかを決める力です。構成を組み立てる、要点を選ぶ、相手に響く一言を練る——こうした「中身」の部分は、職種を問わず持ち運べる強みになるかもしれません。面接でも、成果物の見栄えより「なぜこの構成にしたか」を語れると差がつくと考えられます。
採用する企業なら:「資料作成が得意」を評価軸に置く意味は薄れていくかもしれません。代わりに、論点を立てられるか・情報の要否を判断できるかを見極める工夫が要りそうです。中小・ベンチャーにとっては、少人数でも提案資料や採用ピッチの質を底上げできる好機でもあります。テンプレートをAIに整えてもらい、人は中身の検討に時間を回す——そんな分担が現実味を帯びてきました。
知っておきたいのは、AIが「体裁」を引き受けるほど、人には「何を言うか」を決める役割が残るということです。ツールが整えてくれる部分と、人が決めるべき部分を分けて考えておくと、慌てずに向き合えます。
出典:PR TIMES(2026年6月19日・本文は転載せず要約しています)
② AIで「求められるスキルが変わった」と感じる人が7割に(PR TIMES)
ボストン コンサルティング グループが世界14の国・地域の約1万2千人を対象に実施した調査では、回答者の72%が「AIによって自分の仕事に求められるスキルが変わった」と答え、47%が「AIに指示し、管理する役割へ業務の重心が移った」と回答したと発表されました。日常的にAIを使う人のうち、業務フローにAIエージェントが組み込まれていると答えた割合は、前回調査の13%から30%へと倍以上に増えています。
転職を考えているなら:「自分で手を動かす」から「AIに任せて確かめる」へ、仕事の重心が動きつつあります。AIに的確に指示を出す、出てきたものの良し悪しを見抜く、間違いを直させる——こうした関わり方に慣れておくと、どの職場でも動きやすくなる可能性があります。特別なスキルというより、日々の仕事でAIを一度「任せる相手」として扱ってみることが、その入口になりそうです。
採用する企業なら:選考で見るべき点が、作業の速さや正確さから「AIをどう使いこなすか」へ広がっていくと考えられます。過去の完成物だけでなく、AIをどう使って成果を出したかを聞くと、これからの活躍を見立てやすくなるかもしれません。育成の面でも、若手が「AIに任せて確かめる」経験を早く積める環境を整えることが、差になっていく可能性があります。
押さえておきたいのは、AIが仕事に入り込むほど、評価される力が「こなす力」から「任せて確かめる力」へ移っていくということです。数字はあくまで一時点の調査ですが、変化の向きは読み取れます。
出典:PR TIMES(2026年6月10日・本文は転載せず要約しています)
2つの動きに共通するのは、AIが「作業」を引き受けるほど、人の価値が「何を伝えるか」「良し悪しをどう判断するか」へと移っていくという流れです。資料の見栄えも、手を動かす速さも、これからはAIが底上げしてくれます。だからこそ、構成を考える力や、出てきたものを見極める目が、転職を考える人にも、採用する企業にも効いてきます。「つくる」をAIに渡した先に何が残るかを、いまのうちに自分の仕事で確かめておくと、次の一手につながります。
本記事の見解はWeaveXによるものであり、引用元各社の見解を代表するものではありません。調査数値には一定の不確実性が含まれます。



