買い手がAIで比較を終える時代に、営業職が身につけたい力とは。
2026.09.236分で読める
#GTMエンジニアのキャリア#営業×AI#キャリア

法人の買い手は、営業担当者に会う前に、生成AIで候補を洗い出し、費用感まで確かめるようになりました。9月16日と18日に公表された2本の調査が、そろってこの変化を示しています。だから営業職が身につける力も、商談で説明する力だけでは足りない。買い手がAIで比較する段階で、自社が正しく候補に挙がるように情報を用意する力です。

Pickup:今日の注目

① IT導入に関わる人の72.3%が、情報収集に生成AIを使っていた(PR TIMES/日本経済社調べ)

従業員100名以上の企業で自社のIT導入に関わる会社員・役員1,200人のうち、72.3%がIT製品の情報収集に生成AIを使っていると報じられています。使っている人の用途は、比較ポイントの整理が49.5%、候補製品の洗い出しと見積り・費用感の確認がともに34.1%。生成AIを積極的に使う層ほど、営業担当者を介さずに比較サイトやWebメディアで情報収集を終える傾向があったとされています。調査の実施は2025年11月28日〜12月3日です。

WeaveXの視点

営業を立ち上げる側なら:買い手がAIに聞いている比較ポイント、候補、費用感は、これまで初回商談の前半で営業が説明していた内容です。代表や営業責任者が初回商談の台本を見直すなら、前半の自社説明を、買い手がAIで得た比較の中身を確かめる質問に書き換えます。

GTMエンジニアを目指すなら:営業の仕事の中で、この調査がいちばん変えるのは初回商談の冒頭の10分です。買い手はAIが作った比較表を頭に入れて席に着きます。その比較表で自社の料金が古かったり、強みが競合と取り違えられていたりすると、営業は説明の前に訂正から始めることになります。訂正に使う10分を減らせるのは、AIが自社をどう説明しているかを商談の前に確かめておく作業です。ChatGPTやGeminiに、自社が属するカテゴリの製品を比べてほしいと頼む。自社が候補に挙がるか、料金と機能が正しいかを表に記録する。誤りがあれば、公式の料金ページのどの行を直すかをマーケティング担当と決める。この作業を担当業務として名乗り出る営業は、まだ多くありません。

初回商談で買い手が最初に口にするのは、AIに聞いた内容の確認です。

出典:PR TIMES(日本経済社)(2026年9月18日・本文は転載せず要約しています)

② 法人向けサービスの選定で、関与者の85.2%がAIを参考にしていた(PR TIMES/イニシャル調べ)

法人向けサービスの導入に決裁者・決裁への影響者・選定関与者として関わる724人に聞いた調査で、選定の際に生成AIやAI検索を参考にしていると答えた人が85.2%にのぼったと報じられています。参考にする場面として挙がったのは、価格やサービス内容の比較、各社の特徴や強みの整理、導入事例や評判の確認でした。あわせて、5割強(54.1%)が、特定の領域で最初に思い浮かぶ企業を最終的に導入先に選ぶと答えています。調査の実施は2026年6月9日〜11日です。

WeaveXの視点

営業を立ち上げる側なら:買い手がAIで導入事例や評判まで確かめるなら、公開している事例の数と中身が、商談に呼ばれるかどうかを左右します。

GTMエンジニアを目指すなら:最初に思い浮かぶ企業を選ぶ人が半数を超えるという数字は、広告やブランドの話に見えます。ただ、買い手がAIに「この業種で使われている製品は」と聞いたとき、AIが答えを組み立てる材料の一つは、各社がWebで公開している導入事例です。どの業種の、どの規模の会社が、何をどれだけ改善したか。これを最もよく知っているのは、受注までの商談に立ち会った営業です。どの事例を、どの数字で公開するかをマーケティング担当と一緒に決める。営業経験者がGTMエンジニアへ転じるとき、最初に成果を出しやすい仕事です。

導入事例を書く材料は、受注した商談の記録の中にあります。

出典:PR TIMES(イニシャル)(2026年9月16日・本文は転載せず要約しています)


2本の調査は、対象も実施時期も違います。それでも、候補の比較や費用感の確認といった、これまで営業が商談で説明していた工程に、買い手がAIを使っている点は共通しています。

たとえば、営業3名のSaaS企業の初回商談。冒頭で、見込み客が「AIに聞いたら、御社は月額5万円からと出てきました」と切り出す。実際の料金は、半年前の改定で別の体系に変わっている。営業は最初の10分を訂正に使い、見込み客は比較をやり直すことになります。売上で見れば、AIの比較で候補から外れた会社には営業が呼ばれず、呼ばれても訂正から始まる商談は受注までに時間がかかります。

工程ごとに並べると、次の表のとおり。

工程 これまで営業がやっていたこと いま買い手がAIで進めていること GTMエンジニアが引き受けること
候補を知る 電話やメールで自社の存在を知らせる AIに候補の製品を挙げさせる AIの答えに自社が挙がるかを月に1回確かめ、挙がらない理由を公式サイトの記載から探す
比較する 初回商談で競合との違いを説明する AIに比較ポイントを整理させる AIが比較に使う項目に、自社の公式ページが答えているかを点検する
費用感をつかむ 見積りを出す AIに費用感を出させる 料金ページの記載と実際の見積りのずれを、商談の記録から見つけて直す
評判を確かめる 商談で導入事例を紹介する AIで導入事例や評判を確かめる 受注した商談の業種・規模・改善した数字を、公開できる事例にまとめる

右端の列は、どれも営業の現場を知らないと進められない仕事です。買い手が商談で何を聞いてくるか、どの事例が受注を決めたかを知っているのは、商談に出ていた営業担当者だけ。GTMエンジニアとは、営業戦略の設計から現場の実行、組織への仕組み化までを一本で貫く職種です。営業経験者がGTMエンジニアへ転じるときに最初に取りかかれるのは、ツールの操作を覚えることではなく、この表の右端の1行を自分の担当業務にすることです。次の職場を選ぶときに何を基準に比べるかは、キャリアの軸の見つけ方で手順を整理しました。応募先の面接では、AIが自社をどう説明しているかを確かめる仕事を任せてもらえるかを、一度聞いてみてください。

本記事の見解はWeaveXによるものであり、引用元各社の見解を代表するものではありません。調査数値は回答者の認識に基づくものです。

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WeaveXは、GTMエンジニアとして顧客の営業組織に入り、戦略の設計からAIの実装、現場の実行までを担う仲間を探しています。

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