SaaS企業への転職で問われるのは、SaaS経験より業界経験。
2026.10.028分で読める
#GTMエンジニアのキャリア#SaaS市場#キャリア

SaaS企業がビジネス職を採るとき、重視されるのはSaaS業界での経験より、顧客の業界や業務を知っている経験です。9月9日に公表された調査で、そう答えた会社が多数でした。一方で米国のGTMエンジニア求人では、約6割がワークフローを組むツールの経験を条件に挙げています。営業からGTMエンジニアを目指す人にとっての問いは、業界の知識とツールの経験を、一つの実績でどう示すかです。

Pickup:今日の注目

① SaaS企業の採用で、業界経験がSaaS経験を上回った(PR TIMES/エムエム総研調べ)

SaaS事業を展開する企業の責任者・マネージャー層1,033人に聞いた調査で、営業やカスタマーサクセスなどのビジネス職を採るときに「特定の業界・業務領域での経験」を重視すると答えた人は48.0%でした。「SaaS業界での経験」の32.9%を上回ったと報じられています。営業部門に絞ると54.2%。業界の経験者をどの職種に置きたいかという問いでは、カスタマーサクセス36.7%に次いで、営業とRevOps・イネーブルメントがともに31.5%でした。調査の実施は2026年8月14日〜17日です。

WeaveXの視点

営業を立ち上げる側なら:1人目の営業の求人票でSaaS経験を必須条件にしているなら、顧客の業界で働いていた人も候補に含める余地があります。SaaSの指標(解約率や商談化率)の見方は、入社後に教えられます。

GTMエンジニアを目指すなら:RevOps・イネーブルメントに業界の経験者を置きたい会社が3割を超えている点に注目してください。RevOpsは営業・マーケティング・カスタマーサクセスの数字と仕組みをまとめて管理する職種で、GTMエンジニアの仕事と重なる部分が大きい。この職種でも、SaaS企業は顧客の業界を知っている人を求めています。いま建設、物流、医療などの業界で法人営業をしている人は、その業界の顧客がどの時期に何を発注し、誰が決裁するかを知っています。SaaS業界の経験しかない人が、入社後に一から覚える内容です。

業界を知っている営業は、SaaS企業の採用で不利な立場にいません。

出典:PR TIMES(エムエム総研)(2026年9月9日・本文は転載せず要約しています)

② 米国のGTMエンジニア求人の59%が、ワークフローを組むツールの経験を求めていた(Cargo)

米国のGTMツール企業Cargoが公開している求人の集計では、2026年4月17日から9月28日までに掲載されたGTMエンジニアの求人1,784件のうち、59%がワークフローを組むツール(オーケストレーションツール)の経験を条件にしていました。求人票で挙がるツールの例はClayやn8nです。9月28日時点で募集中の求人は1,181件でした。

WeaveXの視点

営業を立ち上げる側なら:米国の求人票は、GTMエンジニアに「ツールをつないで営業の作業を自動で回す」仕事を任せています。自社で同じ役割を置くなら、どの作業を自動で回したいかを先に書き出すと、求人票の条件を決められます。

GTMエンジニアを目指すなら:Clayやn8nは、データの取得、条件による振り分け、CRMへの記録といった作業を、順番に並べて自動で実行させるツールです。米国の求人の約6割がこの経験を求めています。ただ、設定の中で業界の知識が要るのは、「どの条件で振り分けるか」を決める部分です。どの問い合わせを急ぎと判断するか、どの企業を優先して当たるか。この条件を決めるには、顧客の業界の知識が要ります。①の調査でSaaS企業が業界経験を重視していた結果と、ここで重なります。

ツールの設定画面で手が止まるのは、操作が分からないときより、振り分けの条件が決まっていないときです。

出典:Cargo「GTM engineer jobs」(2026年9月28日時点の集計・本文は転載せず要約しています)

③ インサイドセールス担当の36.2%が、営業時間外の対応に限界を感じていた(PR TIMES/インプレックスアンドカンパニー調べ)

インサイドセールス業務に携わるマネジメント層・担当者1,027人に聞いた調査で、限界を最も感じる業務として「営業時間外の対応」を挙げた人が36.2%だったと報じられています。「複数のリードへの同時対応が難しい」は31.8%、「リード数が増えたときに対応しきれない」は28.7%。Webサイトを訪れた匿名の訪問者を取りこぼして機会を損失していると感じる人は、「多くの機会損失」と「やや機会損失」を合わせて約8割でした。調査の実施は2026年2月です。

WeaveXの視点

営業を立ち上げる側なら:営業時間外に届いた問い合わせは、翌営業日の朝まで誰も見ません。その間に見込み客が競合の資料を請求すれば、商談の数そのものが減ります。

GTMエンジニアを目指すなら:この調査に並ぶ三つの課題は、どれもワークフローを組むツールで解ける種類の課題です。夜間に届いた問い合わせを内容で分類し、急ぎのものだけ担当者の携帯に通知する。同時に届いたリードを、決めた優先順位で並べ替える。どちらも、②で求人票が求めていた経験そのものです。そして、どの問い合わせを急ぎとするかの条件は、①で採用担当者が重視していた業界の知識からしか決められません。

インサイドセールスの取りこぼしは、営業から転じたい人が最初の実績を作れる場所です。

出典:PR TIMES(インプレックスアンドカンパニー)(2026年9月14日・本文は転載せず要約しています)


3つの素材は、対象も国も違います。並べると、SaaS企業の採用担当者が見ている条件は二つに分かれます。顧客の業界を知っているか(①)と、ツールで営業の作業を自動で回せるか(②)です。職務経歴書では、この二つを別々の欄に書きがちです。「建設業界の法人営業7年」と「HubSpot使用歴2年」。これでは、二つの経験がどうつながるのかを採用担当者が想像するしかありません。

二つを一件で示すと、次のようになります。

書き方 職務経歴書の記載例 採用担当者に伝わること
別々に書く 建設業界の法人営業7年/HubSpot使用歴2年 業界を知っていて、ツールを触ったことがある
一件で書く 夜間・休日の問い合わせのうち、着工日が1か月以内の案件だけを担当者に即時通知する設定をHubSpotで作った。翌営業日まで未対応だった急ぎの案件がなくなった 業界の知識で振り分けの条件を決め、ツールで自動化し、結果を確かめた

一件で書く例の「着工日が1か月以内」は、建設業界の顧客を知っている人にしか決められない条件です。この条件を決めた経験は、GTMエンジニアの仕事の入口にあたります。GTMエンジニアとは、営業戦略の設計から現場の実行、組織への仕組み化までを一本で貫く職種です。インサイドセールスで、どの見込み客をどの順で営業に渡すかの基準を決める手順は、インサイドセールスの立ち上げ方で整理しました。会社が専任を置く前に決める4つのことを扱った記事ですが、営業担当として今の職場で一つ目の仕組みを作るときにも、そのまま使えます。次の面接までに、自分の業界で「急ぎ」と判断する条件を一つ書き出してみてください。

本記事の見解はWeaveXによるものであり、引用元各社の見解を代表するものではありません。調査数値は回答者の認識に基づくものです。

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WeaveXは、GTMエンジニアとして顧客の営業組織に入り、戦略の設計からAIの実装、現場の実行までを担う仲間を探しています。

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