
これまでのAI面接は、決まった質問に答える様子を録画して人があとで見る、という使い方が中心でした。ところが最近は、AIが自分で質問を考え、回答に合わせてその場で深掘りし、内容を要約して点数までつける——そんな「対話するAI面接官」が相次いで登場しています。面接の相手がAIになるという流れを、転職を考える人と採用する企業の両方の視点で、先読みで読み解きます。
Pickup:注目の技術
① 回答に合わせて質問を変えるAI面接官が登場(CodeCamp)
パソナは2026年6月10日、AIアバターが面接官として候補者と対話する一次面接サービス「Career Gate」の提供を始めたと報じられています。回答に応じて深掘りの質問をその場で作り、評価基準に沿って内容を自動で要約・採点する一方、最終的な合否は採用担当者が判断する設計で、24時間いつでも受けられる点が特徴とされています。
転職を考えているなら:用意した台本どおりに進まず、自分の回答に合わせて質問が深掘りされる場面が増える可能性があります。模範解答を読み上げる準備よりも、印象に残る経験を一つ二つ選び、「なぜそう動いたのか」「何を学んだのか」まで自分の言葉で語れるよう整理しておくことが、これまで以上に効きやすくなるかもしれません。
採用する企業なら:AIが質問と一次評価を担うほど、「この面接で何を見極めたいのか」という評価基準の設計が、選考の質をそのまま左右します。基準が曖昧なままだとAIの採点もぶれやすいため、深掘りしてほしい観点を先に言葉にしておくことが、効果を引き出す鍵になりそうです。
知っておきたいのは、速さや24時間対応そのものより、「人が最後にきちんと向き合う工程をどこに残すか」が候補者の納得感を左右する、という点です。
出典:CodeCamp(2026年6月11日・本文は転載せず要約しています)
② AIが対話内容と求人を照らし合わせ「適合度」まで判定(PeopleX)
株式会社PeopleXは2026年5月7日、対話型のAI面接サービスに「マッチングAIエージェント」を加えたと発表しています。AIが面接での対話内容と求人の要件を照らし合わせ、候補者と仕事の適合度を自動で判定して評価レポートに示すもので、英語やベトナム語などの多言語面接にも対応するとされています。
転職を考えているなら:AIが面接の対話と求人要件を突き合わせて「適合度」を出す流れが広がると、自分の経験を応募先の言葉(求める要件)に翻訳して語れるかどうかが、より問われる可能性があります。求人票を読み込み、自分のどの経験がその要件に刺さるのかを言語化しておく準備が、これまで以上に活きてきそうです。
採用する企業なら:適合度の自動判定は便利な一方、その精度は「自社が本当に求める要件」をどれだけ具体的に言葉にできているかに左右されます。多言語対応が進めば、これまで接点の薄かった海外人材へ門戸を広げる選択肢も、現実的になっていくかもしれません。
押さえておきたいのは、AIが出す「適合度」はあくまで要件と回答の一致度であって、伸びしろや意欲そのものまで測れるわけではない、という前提です。
出典:PeopleX(PR TIMES)(2026年5月7日・本文は転載せず要約しています)
AIが一次選考に入り込むほど、選考は「問い・対話・評価」という3つの動きに分けて捉えやすくなります。AIは質問を作り(問い)、回答に合わせて深掘りし(対話)、基準に沿って要約・採点する(評価)——その多くを担えるようになりつつあります。だからこそ、転職を考える人には「自分の経験を、相手の言葉で具体的に語れるか」が、企業には「何を見極めたいのかを言葉にできているか」が、これまで以上に問われていきます。AIが担うのは入口の効率化であり、人を見極める最後の責任は、まだ人の側にあると考えておくのがよさそうです。
本記事の見解はWeaveXによるものであり、引用元各社の見解を代表するものではありません。



