
生成AIは「仕事を丸ごと奪う」のではなく、ひとつの仕事の中を「引き受けられる部分」と「人に残る部分」に分け始めています。この線引きが最近、複数の調査で少しずつ数字として見えてきました。今日は、そのスキルの分かれ目を示す2本を、転職を考える人と採用する企業の双方の視点で整理します。
Pickup:今日の注目
① 情報収集や資料作成は「代替されやすい」、企画や調整は残る(PR TIMES/リンプレス調べ)
生成AIで代替されやすい業務として「情報収集・リサーチ」が71.2%、「資料・ドキュメントの作成」が66.7%と上位に挙がった一方、「目的設計・企画立案」や「関係者間の調整・意思決定」は代替されにくいスキルとして残った、と2026年7月3日に発表されました。手を動かす作業ほどAIに寄せられ、意図を決めたり人を動かしたりする部分が人に残る、という構図です。
転職を考えているなら:「調べる」「まとめる」だけで評価されにくくなる流れは、キャリアの選び方にも関わってきます。作業スピードそのものより、「何のために調べるのか」「関係者をどう巻き込むのか」を語れることが、これからの強みになりやすいと考えられます。AIを使いこなす経験そのものも、一つの実績として棚卸ししておきたいところです。
採用する企業なら:職務要件を「作業ができるか」から「目的を設計し、人を動かせるか」へ描き直す余地が出てきます。とくに少人数で回す中小・ベンチャーでは、AIで作業を巻き取れる前提で、判断や調整に強い人を厚く採るという選び方が現実味を増しています。
知っておきたいのは、AIが作業を引き受けるほど「その作業を何のためにやるのか」を決める力が前面に出てくる、ということです。代替される部分を嘆くより、残る部分に自分の時間を寄せていく発想が効いてきます。
出典:PR TIMES(株式会社リンプレス調べ)(2026年7月3日・本文は転載せず要約しています)
② 企業のリスキリング、最優先は「生成AIの業務活用」で67.8%(日本人材ニュースONLINE)
企業がリスキリングで最も優先するテーマは「生成AIの業務活用」で67.8%と突出し、次点の「データ分析・データサイエンス」(44.9%)を大きく上回ったと、2026年5月27日に報じられました。さらに、生成AIの影響で人材育成の施策見直しが必要と考える企業は54.5%に上り、必要なスキルや役割の変化を認識している企業も約半数に達しています。学ぶ内容そのものが、AIを前提に組み替えられ始めています。
転職を考えているなら:企業が育成の重点を「AIをどう使うか」へ移しているということは、入社後に何を学べるかも変わっていくということです。求人を見るときに「AIをどんな業務でどう使っているか」を質問してみると、その会社が変化にどれだけ本気かが見えてきます。
採用する企業なら:「AI活用を学べる環境」は、若手にとって待遇と並ぶ魅力になりつつあります。研修を整えるのが難しくても、日々の業務でAIをどう使っているかを具体的に語れるだけで、候補者の見え方は変わります。育成方針の見直しは、そのまま採用力の見直しでもあります。
押さえておきたいのは、リスキリングが「新しい資格を取る」話から「AIと一緒に働けるようになる」話へ移っている、ということです。学び直しの中身を、変化に合わせて更新できているかが問われています。
出典:日本人材ニュースONLINE(株式会社みらいワークス調査)(2026年5月27日・本文は転載せず要約しています)
2本に共通するのは、AIが仕事を「引き受ける部分」と「人に残る部分」に分け、その線引きが個人のスキル選びと企業の育成方針を同時に動かしている、ということです。代替されやすい作業を手放すことは、目的を決める・人を動かす・意味づけるといった、人に残る部分に時間を寄せていくことでもあります。どのスキルを自分の軸に据えるかという視点は、キャリアの軸の見つけ方とあわせて考えると、より実践に落とし込めます。
本記事の見解はWeaveXによるものであり、引用元各社の見解を代表するものではありません。



