
生成AIを仕事に使う人は急速に増えています。一方で、それを支える組織の人材育成は追いついていない――そんな現状が、直近の2つの調査から見えてきました。職場でAIと人はどう役割を分け合うのか。転職を考える人にも、採用する企業にも関わる変化です。
Pickup:今日の注目
① 生成AIの個人利用は6割、しかし組織の育成支援は遅れ(IPA等の調査)
情報処理推進機構(IPA)などの調査で、生成AIを個人で業務利用する人は62.1%に達する一方、部署の業務プロセスに組み込まれているのは13.1%にとどまると報じられています。さらに、人材育成を「特に支援していない」企業が36.6%にのぼり、米国(1.0%)やドイツ(1.9%)と比べて大きな差があるとされています。
転職を考えているなら:AIスキルは「会社が教えてくれるのを待つ」より、自分で身につける時代になりつつあります。転職市場で評価に差がつくのは、会社の育成支援を待たずに、自分でAIの使い方を学んできたかどうか。
採用する企業なら:育成支援の遅れは、若手の離職リスクに直結します。「育ててくれる会社」であることが、これからの採用競争力になります。
AI活用が個人任せになるほど、人材の定着を左右するのは組織の育成設計の有無です。
出典:HRpro(2026年5月11日・本文は転載せず要約/調査主体:IPA・NTTデータ経営研究所・リクルートワークス研究所)
② AIは選択肢を示し、人は意欲を引き出す──役割分担が鮮明に(リクルートMSの調査)
リクルートマネジメントソリューションズの調査では、仕事でAIを活用する層の約6割が業務効率化を実感し、非活用層の2倍以上の差が出たと報じられています。AIは「複数の選択肢の提示」「新たな視点の提供」で力を発揮する一方、メンバーの「やる気の喚起」や「気持ちへの寄り添い」では上司が上回るという結果が示されています。
転職を考えているなら:AIにできない「人を動かす力」「人に寄り添う力」が、これからの個人の価値になります。効率化はAIに任せ、相手のやる気を引き出す・気持ちに寄り添うといった、調査で上司がAIを上回った部分で差をつけていく。
採用する企業なら:AI導入で効率化を進めるほど、メンバーのやる気を引き出し、気持ちに寄り添うマネジメントを磨くことが組織の強みになります。
なるほどと思えるのは、AIが広がるほど、「AIは選択肢を示し、人は意欲を引き出す」という分担がはっきりしてくることです。
出典:日本の人事部(2026年4月30日・本文は転載せず要約/調査主体:リクルートマネジメントソリューションズ)
2つの調査が示すのは、「AIが広がるほど、人にしかできないこと――学ぶ力、人を動かす力――と、それを支える組織の設計が問われる」ということです。AIを使いこなす前提で、学ぶ力と人を動かす力のうち、自分(あるいは自社)が何を強みにするのかを決めておく。2つの調査から引き出せる次の一手は、これです。
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